家賃5万円の差は大きくない?立地選びがカフェ経営のカギ

開業準備

カフェを開業する際、誰もが悩むポイントのひとつが「家賃」です。家賃が高い物件は良い立地にある可能性が高く、集客力も期待できる一方で、毎月のコストがかさみます。逆に、家賃が安い物件は経費を抑えられるものの、立地条件が悪いと集客に苦労するリスクもあります。では、家賃のわずかな違いが経営にどれだけ影響するのでしょうか?今回は、家賃15万円と20万円の場合を例に挙げて、具体的な数値で検討してみます。

1. 家賃15万円と20万円の損益分岐点の計算

まず、家賃が15万円と20万円の場合の損益分岐点を比較してみましょう。その他の固定費(通信費や雑費)は同じと仮定し、変動費率は32%と設定します。さらに、オーナーの給料と融資の返済額を合計して考慮します。

家賃15万円の場合

固定費:家賃15万円 + その他の固定費2万円 = 17万円

変動費率:32%

損益分岐点の計算式は次の通りです:

損益分岐点売上 = 固定費 ÷ (1 – 変動費率)

したがって、家賃15万円の場合、損益分岐点は:

17万円 ÷ (1 – 0.32) = 17万円 ÷ 0.68 = 約25万円

ここにオーナーの給料や融資返済分35万円を加えると、総固定費は 52万円 になります。損益分岐点は以下の通りです:

52万円 ÷ 0.68 = 約76万円

つまり、家賃15万円のケースでは 月76万円の売上 が必要です。

家賃20万円の場合

次に、家賃20万円の場合を同じように計算します。

固定費:家賃20万円 + その他の固定費2万円 = 22万円

変動費率:32%

この場合の損益分岐点は:

22万円 ÷ (1 – 0.32) = 22万円 ÷ 0.68 = 約32万4千円

ここに、同様にオーナーの給料と融資返済35万円を加えると、総固定費は 57万円 になります。損益分岐点を再度計算すると:

57万円 ÷ 0.68 = 約83万8千円

つまり、家賃20万円のケースでは 月83万8千円の売上 が必要です。

2. 1日あたりの売上目標と来店客数の比較

では、これらの売上目標を1日あたりに分解してみましょう。営業日数を月25日(6日休業)と仮定します。

家賃15万円の場合

1日の売上目標:76万円 ÷ 25日 = 1日3万400円

客単価1000円 と仮定した場合、1日30名の来店が必要です。

• 1日8時間営業とすると、 1時間あたり約3.75名 の来店が求められます。

家賃20万円の場合

1日の売上目標:83万8千円 ÷ 25日 = 1日約3万3520円

客単価1000円 であれば、1日34名の来店が必要です。

• 1日8時間営業とすると、 1時間あたり約4.25名 の来店が必要です。

3. 家賃5万円の差はわずか「4名」の違い

この結果を見て、驚かれるかもしれません。家賃が5万円高くなっても、1日に必要な来店客数は わずか4名の違い しか出ないのです。家賃15万円の店舗では1日30名、家賃20万円の店舗では1日34名のお客様を集める必要があるという差です。

この差をカバーすることができるのであれば、少し高い家賃でも、より良い立地を選ぶ価値が十分にあると言えます。 たった4名の追加集客 であれば、視認性の良い立地や、通りがかりのお客様が多くなる場所でカフェを運営すれば、比較的容易に達成できる目標です。

4. 立地選びの重要性

家賃が安い物件は経費が抑えられる反面、視認性や集客力に劣ることが多いです。特に、カフェなどの店舗型ビジネスでは、 視認性 が経営に大きな影響を与えます。人は一瞬でその店が「何を提供しているのか」を判断し、直感的に「入りやすいかどうか」を決めます。

例えば、家賃が15万円の物件が住宅街にあるとしましょう。この場合、近隣の住民やリピーターに頼る経営が中心となり、集客力が限られるかもしれません。対して、家賃20万円の物件が駅前や商業エリアにあるとすると、 流動客が多く、視認性も良い立地 であれば、1日に4名多くの来店客を獲得するのはそれほど難しくないかもしれません。

5. 良い立地と悪い立地を見極めるポイント

立地の選び方がカフェ経営の成功を左右します。家賃の額だけでなく、その場所が持つ 集客力 をしっかりと見極めることが重要です。

良い立地の特徴

視認性が高い:通りすがりの人がすぐにお店の存在に気付ける

アクセスが良い:公共交通機関が便利で、駅やバス停に近い

人通りが多い:流動客が多く、自然とお店に足を運びやすい

悪い立地のリスク

視認性が低い:建物や看板が目立たず、通りすがりのお客様が気付かない

交通の不便さ:駅から遠かったり、駐車場がないなどアクセスが悪い

人通りが少ない:閑静な住宅街や商業エリアから離れた場所だと、新規顧客を得るのが難しい

6. まとめ:家賃の差は気にしすぎない

カフェ経営において、家賃が少し高くなることはリスクのように思えるかもしれません。しかし、今回の計算結果からもわかる通り、家賃が5万円上がったとしても、必要な集客は わずか数名の違い に過ぎません。むしろ、 視認性が良く、アクセスの良い立地 に投資することが、長期的には安定した経営につながる可能性が高いのです。

物件選びの際には、家賃だけでなく、 立地がどれだけ集客に貢献できるか を慎重に見極めることが大切です。良い立地は、それ自体が集客力を持ち、結果的に家賃以上の利益を生み出すチャンスを提供してくれます。自分のビジネスにとって最適な場所を選び、長期的な視野で成功を目指しましょう。

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