同じメニューでも原価率に差が出る!飲食店経営者必見の原因と対策

経営知識

飲食店の経営において、「原価率」のコントロールは非常に重要です。特に、チェーン店のように複数店舗を展開している場合、メニューやレシピは統一されているにもかかわらず、各店ごとに原価率が異なることがよくあります。この現象に戸惑うこともあるかもしれませんが、実はそこには明確な理由が存在します。

今回は、僕が体験した飲食店における原価率の違いが生じる理由や、原価率を効果的にコントロールする方法について解説します。さらに、僕の経験を交えて、利益を最大化するための具体的な施策についても触れていきます。

1. 損益計算書(PL)と店舗経営の基本

まず、飲食店経営において欠かせないのが損益計算書(PL)です。PLは、売上・原価・人件費・その他のコストなどをまとめた店舗の財務状況を示す書類であり、店舗運営の健全性を判断するための重要な指標です。特に、店舗責任者はPLを常に頭に入れ、経営の判断材料として使う必要があります。

僕がチェーン店の店舗管理をしていたときも、まずPLの数字を確認し、その上で現場に足を運び、各店舗の改善点を見つけていました。現場に入らずに売上を上げるなんて無理だというそのような批判が聞こえてきそうですが、実際には複数の店舗を客観的に比較することでこそ、見えてくる問題点も多くあります。

PLを見ているだけで、店舗のどこに問題があるのかが自然と分かるようになりました。

では、PLの中でも特に注目すべき項目は何か。それは「利益」、「人件費」、そして「原価率」です。今回は、この原価率のコントロールに焦点を当てます。

2. 原価率のコントロールは店舗責任者の仕事

飲食店における最大のコストは、人件費と原価率です。この2つの要素を効果的にコントロールすることが、店舗責任者の最も重要な役割です。では、「メニューやレシピが決まっているなら、原価はコントロールできないのでは?」と思う方もいるかもしれません。しかし、その答えは「NO」です。

なぜなら、各店舗でのメニュー構成費、つまり「どのメニューがどれだけ売れているか」が異なるためです。たとえば、都心の駅近くにある店舗ではホットコーヒーの売上が伸びる一方、ショッピングモール内の店舗ではスイーツやフードの売上が多い傾向にあります。このように、利用する顧客層や立地によって売れる商品が変わるため、原価率にも差が生まれます。

3. メニュー構成による原価率の違い

具体的には、ホットコーヒーが多く売れる店舗は原価率が低くなり、一方でフードの出数が多い店舗は原価率が高くなる傾向があります。これは、コーヒーは比較的低コストで提供できるのに対し、フードやスイーツは原材料費が高いためです。

たとえば、ビジネスパーソンが多く訪れる都心の店舗では、効率的に時間を過ごすためにコーヒーや軽食を注文することが多くなります。対して、家族連れが多く訪れるショッピングモール内の店舗では、しっかりした食事やデザートを注文する割合が増えるため、結果として原価率が上がります。

このように、立地や客層に応じたメニュー構成が、各店の原価率に大きな影響を与えるのです。

4. 店長の管理による原価率の変動

さらに、同じメニューを提供していても、店長が変わると原価率が変わることがあります。この理由は大きく分けて2つあります。

4.1 ポーションコントロールの違い

店長によって、店舗スタッフのポーションコントロールが異なるためです。賢い店長は、レシピを厳密に遵守させる仕組みを作ります。たとえば、ある食材に対して「この20ccのレードルを使う」と決めておき、そのルールを徹底させます。一方で、管理が甘い店長は、スタッフが日によってレードルを使ったりディッシャーを使ったりと、統一されていないことを許してしまいます。

例えば、100gあたり100円の食材を105g使った場合、それだけで原価率が5%変動します。このわずかなズレが積み重なると、月間では数%の原価率の違いを生むのです。仮に、月商1,000万円の店舗で原価率が3%ずれた場合、それだけで30万円もの違いが生じます。

4.2 販促活動による影響

もう一つの要因は、店長による販促活動です。店内のタペストリーや黒板のPOPなどを通じて、どの商品を訴求するかによって売上構成が変わります。一般的には、利益率の高いドリンクメニューを中心に訴求するのが効果的です。しかし、店長がどの商品を積極的に売り出すかによって、原価率に大きな差が生じることがあります。

5. 原価率コントロールの実践方法

では、具体的に原価率をコントロールするためには、どのような方法があるのでしょうか?

5.1 ポーションコントロールの徹底

まず、最も基本的な方法は、前述の通り、ポーションコントロールの徹底です。スタッフにレシピ通りの量を提供させるための仕組みを作り、それを厳格に管理します。また、定期的にスタッフのトレーニングを行い、レシピの正確な理解と実践を促進します。

5.2 メニュー構成の見直し

次に、メニュー構成を見直し、利益率の高い商品を積極的に売り出すようにします。特に、ドリンクやスナック類は原価率が低いことが多いため、それらの商品を訴求することで原価率全体を下げることができます。

5.3 在庫管理の強化

在庫管理も重要なポイントです。無駄な在庫を抱えないよう、適切な発注量を維持し、廃棄ロスを最小限に抑えることで原価率のコントロールが可能です。

6. まとめ

飲食店における原価率のコントロールは、単にレシピやメニューが決まっているだけではなく、店長の管理能力や販促活動、そしてメニュー構成によって大きく変動することがわかりました。各店舗の特性を理解し、効果的なコスト管理を行うことで、利益を最大化することが可能です。

カフェ経営を安定させるために必要なのは、料理やコーヒーの知識や技術だけではありません。最も重要なのは仕組み化です。アルバイトスタッフはミスをするものですが、それは当然のことです。ただし、ミスが発生する背景には必ず理由があり、その理由を考え、ミスが起きないような仕組みを整えることが大切です。人間は完璧ではないため、オペレーションのシンプル化やポーションコントロールなどの具体的な手順を設けることで、ミスを最小限に抑えることができます。

仕組みを整え、誰が作業しても安定した品質を保つことができる店舗運営を目指すことが、カフェ経営の成功につながるポイントであることをしっかりと頭に入れておきましょう。


この記事が、皆さんの店舗運営の一助となれば幸いです。さらに飲食店経営に関する情報を知りたい方は、ぜひ僕のTwitterをフォローしてください!@matsu_cafe_exe