飲食店を始める際に、多くの人が直面するのが「初期投資をどうやって回収するか」という問題です。飲食業は開業コストが高い業態なので、回収計画が不十分だと経営が軌道に乗る前に資金が尽きてしまう可能性もあります。今回は、僕の経験をもとに、5年回収をおすすめする理由と、他の回収期間も選択肢として考える場合のメリット・デメリットについてお話しします。
なぜ5年回収がベストなのか?
僕の経験上、5年での回収は最もバランスが取れた選択です。5年という期間は、短すぎず長すぎず、無理なく回収できる現実的なタイムフレームです。事業が順調に進めば、5年で初期投資を回収でき、利益を積み重ねる余裕が生まれます。たとえば、600万円の初期投資を5年で回収するには、年間120万円、月に10万円の利益が必要です。
この金額なら、店舗が順調に運営されれば無理なく達成可能な範囲で、精神的にも安定して経営できます。プレッシャーが少ないため、長期的に安定した経営を続けやすいというのが5年回収のメリットです。
3年回収はポジティブすぎる計画になりがち
一方で、3年での回収を目指す計画も選択肢としてはありますが、時にポジティブすぎる計画になりがちです。たとえば、600万円の投資を3年で回収する場合、年間200万円、月に16万円の追加利益が必要になります。これは、特に開業初期においては、やや高すぎる目標かもしれません。
立地が良かったり、人気の業態であれば、初期から高い売上を見込めるケースもあるので3年回収も現実的な選択になることがあります。ただし、期待が過剰になってしまうと、売上が計画通りにいかなかったときのリスクが高まり、経営に余裕がなくなることもあるので注意が必要です。目標が高すぎると、想定よりも早く資金がショートするリスクもあります。
7年回収や10年回収はどうか?
7年や10年での回収を考えることも可能です。これらの長期回収は、月々の負担を少なくして、より長いスパンで安定的に回収する方法です。たとえば、融資の返済期間が7年や10年の場合、その期間に合わせて回収を目指すという考え方もあります。
ただし、飲食店では5年ごとに設備の更新や内装のリニューアルが必要になることが多いです。長期回収を目指している途中で、再び新たな投資が必要になる可能性があるため、そういった点でのリスクは無視できません。早めに回収を終えて、次の投資に備える資金を確保できる5年回収が、最も安全で効率的だと考えています。
小さな投資でも費用対効果を見極めることが大切
どんなに小さな投資でも、回収を考えるのはビジネスの基本です。たとえば、50万円のコンベクションオーブンを購入してメニューの幅が広がったとしましょう。5年で回収するには、年間10万円、月8,000円、1日あたり250円の利益増加が必要です。原価率30%と仮定すると、5年間で71万円の売上が必要で、1日あたり360円の売上増加で回収が可能です。
このように、具体的に1日あたりの売上を見積もることで、投資の回収がどれだけ現実的かを判断できます。また、僕が以前行ったファサード(入り口)の改装では100万円の投資をしましたが、売上が上がり、1年ちょっとで回収できました。小さな投資でも、費用対効果をしっかり検証することで、経営の安定に繋がります。
設備の更新を見据えた回収計画
飲食店では、10年も経つとコーヒーマシンやキッチン設備などの重要な機器の更新が必要になることが多いです。これらの設備は日常的に使用するため、どうしても消耗していきます。そのため、5年以内に初期投資を回収し、次の設備更新やリニューアルに備えることが理想です。
こうして早めに回収を完了することで、次の大きな投資にもスムーズに対応できる資金を確保できるようになります。
まとめ:自分のビジネスに合った回収計画を立てよう
飲食店経営では、5年での回収計画が最もバランスが取れていて、精神的にも安定して経営を進めやすいです。ただし、3年回収も業態や立地によっては現実的な選択肢になり得ますが、過度にポジティブな計画を立ててしまうと、リスクが高まることもあります。また、7年や10年回収は長期的に安定して進められる一方で、途中で設備更新やリニューアルが必要になるリスクも考慮する必要があります。
自分の店舗やビジネスモデルに合った回収計画を立て、無理のない範囲でしっかりと投資を回収していくことが、長期的な経営の成功に繋がります。

